私がまだ幼い頃は、犬は勝手にあちこち歩き回っていました。
車が増えてくるにつれ、道の傍らに轢かれた動物たちが横たわっているのを見ることが増えてきました。そして、いつの間にか、犬を勝手に外を歩かせてはいけない条例ができていました。今では、犬はリードに繋がれて散歩するのが当たり前です。
でも、もしそれが自分だったらと思うと、とても悲しくなるのです。
とはいっても、車にはねられてもかわいそうだし、犬を怖がる人を驚かせても申し訳ない。それで、芦屋では人が山から降りてくる夕方になると、時々犬を連れて近くの山(六甲山)に行っています。山道でリードを外してあげると、とても活き活きと駆け回ります。見ている私まで幸せになってくるのです。
いつか、全ての動物が、車に轢かれる心配もなく、自由に好きなところを歩ける世界になること、それも私の夢のひとつです。
拠点Cでの新しい生活は、森と山に囲まれた暮らしです。拠点Bから連れてきた4頭の犬たち(芦屋にも別に一頭います)。犬たちにとっても新しい暮らしが始まりました。慣れるかどうか、最初は心配しましたが、今ではすっかりここでの暮らしが気に入ってくれた様子。というのも、毎日、山で自由にしてもらえるからです。
最初は、軽トラの荷台に乗ってくれるかも心配でしたが、今では自ら乗り込むまでに!本当に見違えるように明るく元気になりました。
さて、犬が自由に山で遊んでいる間、私たちは森に道を作る作業をします。
私の趣味は登山。森を歩くことも大好きなのですが、いつも山道を踏みしめながら、これは一体、誰が作ってくれたのだろう。森の中の道は一体、どうやって作るのだろう。つい半年前もそんなことを思いながら、山道を歩いていました。
まさか、自分がその道を作る手伝いをすることになろうとは!
(thinkPlanetの活動のひとつに、森との関わりがあります。詳細はいずれ・・・)
知りたいと思ったことがすぐにわかったり、やってみたいと思ったことがすぐに叶ったりするから、この人生、本当にびっくりします。
今やっていることは、森の中の道の補修です。生まれて初めて、ユンボ(ショベル)を操作しました(ずっとやってみたかった!)
これが、本当に面白い。奥深くて難しいのだけど、アニメで観たモビルスーツの操作って、たぶんこんな感じなんだろうなとか思いながらやっています。ここは主に林業の木材を運び出すための道なのですが、作業がスムーズに行くように通りやすい道になればいいなと思いながら無心になって道を作っていると、いつのまにか森と一体化して瞑想状態になって、それがまたなんとも心地いいのです。
森の中にいるせいか、疲れを感じることがなく、何時間でもやっていられる気がしてくるのです。
ここでの暮らしは、毎日が新しいことばかり。
この年になっても、知らないことだらけで驚きの連続です。
働くって楽しい。生きてるって楽しい。そう思える暮らしです。
色々あったけど、今ここに到達できて本当に良かったと思います。
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