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今日は、個人セッションで大きく人生が変わったという方について書いてみようと思います。
プライバシー保護の為、あまり具体的に書けないので、もどかしい点もあるとは思いますが、お許しを。
私が、一度も面識のない方の個人セッションを初めてやった時のケースです。
自傷行為がある10代の男の子ということで、ご家族の方がとても心配されており、是非お願いしたいということだったので、その子と向き合うことになりました。
テーブルを挟んで向かい合っていても、ずっと下を向いて、あきらかに『めんどうくせ~』という気を発していました。
個人セッションは、基本的にご本人が受けたいという意志が必要なのですが、今回は、あきらかにそれがない(--;
『なぜ、セッションを受けようと思ったの?』と訊くと
『どうぜ、嫌って言っても無駄だから』とのこと(--)
何を訊いても、『うん、まあ』『わかんね』『さあ』『たぶん』
返事が返ってくるだけまだましで、ほとんどは鼻で笑うか溜息だけの返事・・・。
でも、心に意識を合わせると、助けを求める叫び声が聞こえてくるのです。
親があまりにも強い場合、子どもは萎縮します。自分の意見は通らず、結局、何を言っても、どんな夢を持っても無駄だという諦めを持ってしまいます。そして、親を説得できるほど強くなりたいと言う思いと裏腹に、そうなれない弱い自分を蔑むようになります。
親としては、守ってあげることが愛情という信念なのでしょうが、子どものことを信じていないからこその保護であり、子どもの心を理解する前に押さえつけていることが多いものです。
子どもとしては、一度か二度、自分のしたいことや夢を、そっと親に打ち明けていますが、親は『そんな夢みたいな』の一言で簡単に片付けています。
そう言われると、『やっぱり何を言っても無駄だ』と、それ以降は黙ってしまうのです。
その抑圧が強いと、自傷行為で抵抗することがあります。思春期のエネルギーは強いので、抑えこまれると、行き場のないエネルギーが親に向かうと強い反抗になり、弱いものに向かうといじめや虐待になり、心が優しすぎて反抗さえできない子は、弱い自分を責め始めて、自分を傷つけるという行為をとります。もっと強くなりたい、駄目な自分を罰しなければと思うのです。この子の場合は、そうでした。
私が、彼が本当はどうしたいと思っているかを言い当てると、初めて顔を上げてくれました。彼には密かな夢があったのです。
でも、『どうぜ反対されるから』とすぐに下を向いてしまいます。
私が親に話してあげるというと、少し顔が明るくなりました。
それから、これからどう生きていったらいいか、道を一緒に探し、具体的な方法を彼に伝えました。
希望という一縷の光が見えたからか、セッションが終わったときの彼は、まったく別人のように見えました。
その後、ご家族と話し合い、彼が望む道を応援することに理解を得ることができました。
彼は、すぐにその夢に向かって行動を始めたのですが、もう一度だけ自傷行為をしてしまいました。私は、彼がもう一度自傷することを予知していたし、そのことはご家族にも予めお話ししていましたのですが、うろたえたご家族に呼ばれ、もう一度彼に会うことになりました。
『学校の先生が、どうせまた自傷行為やるんだって決め付けたらから、そんなに言うならやってやるって当て付けでやってしまった。でも、悪いことしたと思ってるし、馬鹿なことをしたと思ってる。親友とも(もうやらないと)約束したのに、申し訳ない』と反省していました。明らかに以前とは違う。もう大丈夫だと確信しました。
その後、彼は、幼少期から苦しかった胸のうちを、自分の言葉でご家族に話すことができました。勇気を振り絞って泣きながら一生懸命話してくれたことをご家族も重く受け止め、謝りながらも愛情ゆえだったことを伝えることができたそうです。
それから彼は見る見る明るくなって行きました。ご家族の関係も変わっていきました。
そして、昨日、本人から嬉しいメールが入りました。夢だった業界への就職が決まったこと。強く希望していた都会での暮らしも始まります。
ご家族からも喜びのメールをいただきました。
個人セッションを受けなかったら、この子はまだ暗い闇の中にいたかもしれません。
セッションの時間はわずか2時間ほどですが、それほど大きく人の運命を切り開くこともあるのです。だからこそ、真摯な態度と謙虚さを忘れずにいなくてはと、改めて心に刻みました。
彼と彼の家族に訪れた明るい変化が嬉しくて、ご紹介しました。